厚生労働省(患者調査)の受療率に関するデータを見ますと、20代・30代の女性は、男性に
比べ受療率がかなり高くなっております。要するに男性に比べて入院率が高いのです。出産
にまつわる病気が多いということはあるのですが、子宮筋腫や卵巣のう腫などは20代・30代の
女性でもかかる可能性がある病気です。特に子宮筋腫の発生率は35歳以上の女性で約20%
といわれています。

● 女性特有の病気に関するデータ ●
病名
平均在院日数
1日あたりの入院医療費
乳房の悪性新生物
30.0日
 26,566円
子宮の悪性新生物
34.9日
 23,914円
乳房及びその他の女性性器疾患
 11.6日
25,117円
妊娠中毒症
 12.8日
18,292円
周期に発生した病状
11.6日
21,004円
※平成11年 患者調査 社会医療診療行為別調査
※(入院医療費はすべてが自己負担額ではありません)

 例えば、子宮筋腫手術で入院した場合にいくらくらい費用がかかるのでしょうか。治療内容
や入院期間等によっても異なりますが、入院9日間で、一般的な手術、検査を行った場合の
目安を掲載いたします。

●子宮筋腫核出術 8泊9日入院した場合の医療費目安●
指導(薬剤指導)
3,500円
投薬
2,890円
注射(点滴注射等)
18,020円
手術
221,000円
検査(血液検査等)
19,820円
処置(ネブライザー等)
2,680円
入院基本料
154,000円
合   計
422,350円

 治療費の合計額は、422,350円。このうちの3割負担=126,710円が自己負担となります。
その他、食事負担9日分7,020円を合わせた133,730円を病院の窓口で支払うことになります
が、高額療養費で払い戻し制度がありますので、133,730円のうち食事負担額を引いた金額
126,710円が、健康保険の高額療養費から払戻しを受けられます。それにより自己負担する
金額は、80,100円+(全体の医療費422,350円−267,000円)×0.01=81,650円となり、それ
を超えた52,080円が払戻しされます。最終的に自己負担になる金額は、食事負担と合計
した88,670円となります。最近では、子宮への血流を止めて筋腫を壊死させる子宮動脈塞栓
術や、切らずに治療でき日帰り手術が可能になった集束超音波治療という新しい治療法も導
入されています。いずれもまだ健康保険などの適用はなく、子宮動脈塞栓術では約45万円、
超音波治療では約50万円の治療費が自己負担となります。一般的に女性疾病でもガンに関
する病気の場合は、かなりの費用が必要になると思われます。また、保険会社によっては、
女性疾病特約を付加すると、一般的にガンと言われる入院の場合でも、女性疾病特約から、
入院給付金の上乗せがされる保険もあります。女性疾病特約に関しましては、ガン保険や三
大(五大)成人病などを含めて検討しなければなりません。

●女性特有の疾患について●




 卵巣にできる腫瘍には、比較的良性が多い「卵巣のう腫」と悪性の場合が多い「充実
性腫瘍」があります。卵巣の腫瘍全体の割合でいうと約9割が「卵巣のう腫」です。症状
が表れるのは、のう腫が大人のこぶし程に大きくなってからで、@妊娠しているわけで
はないのに下腹部が膨れてくる(通常ならば親指くらいの大きさの卵巣が、赤ちゃんの
頭ぐらいに大きくなることもある) A下腹部を触るとしこりがある B腹痛、腰痛、便秘な
どを起こすCのう腫の根元がねじれた場合は、激痛に襲われ、吐き気、発熱をともない
ます。



 子宮筋腫は、成人女性の4人に1人が発症するといわれる良性疾患です。この疾患は
子宮の壁(筋層)にできる良性の腫瘍で、1つないし複数発生します。多い場合は20個
近くということも。発生する部位によって次の3つに分類されており、個数が多い場合は
3つを併発していることがほとんどです。@粘膜下筋腫: 子宮の内側に突き出すように
できたもの。発生の頻度は低いが、一番症状が辛い。 A筋層内筋腫: 子宮の壁の中
にできるもの。3つの筋腫のうち、いちばん発生頻度が高い。 B漿膜(しょうまく)下筋
腫: 子宮の外側に出っ張るようにできたもので、最も症状が少ないです。


 流産や人工妊娠中絶、出産などによって膣から細菌やクラミジアなどが入り込み、病
原体が子宮経管から卵管に感染して炎症が起こる疾患です。多くの場合、近くにある卵
巣にも炎症が起こって「卵巣炎」を起こし、この両方の炎症をあわせて「子宮付属器炎」
といいます。初期段階に十分な治療を受けずに慢性化すると、卵管が詰まって不妊症
の原因となったり、骨盤内の腹膜にまで炎症が広がって、「骨盤腹膜炎」を引き起こす
危険があります。




 子宮内膜症は、成人女性の10人に1人が発症するといわれている疾患で、30〜40
歳代に多く、近年は20歳代でも多発傾向にあります。この疾患は、子宮内壁の内膜組
織が子宮内壁以外で増殖し、そこで月経のたびに出血を繰り返すという疾患。腹腔内で
増殖して、腸と子宮や卵巣が癒着してしまい、痛みを引き起こすことがあります。「チョコ
レート嚢腫」は、卵巣内で内膜の組織が増殖して卵巣がはれ上がる疾患です。



 卵巣は女性ホルモンを分泌したり排卵機能があるため腫瘍ができやすいといわれて
います。卵巣のある場所が体の内部、奥の方であるために発見が難しく、初期段階で
は自覚症状が出にくいので"サイレントガン"とも呼ばれます。



 この疾患は子宮にできる悪性腫瘍で、発生部位 によって2種類に分けられます。@子
宮頸ガン: 30代から急激に増えはじめ40〜50代にかけて発症のピーク。性生活や出産
と関係があると考えられています。子宮口近くの膣側にある子宮頸部(けいぶ)にできる
悪性腫瘍。A子宮体ガン:閉経後の50代後半〜60代前半にかけて発症するケースが
最も多い。子宮の奥の丸みをおびた部分、子宮体部(たいぶ)にできる悪性腫瘍です。


 乳ガンは、日本人女性では胃がんについで多いガンです。毎年約2万人の女性がか
かっており、30歳以降の比較的若い世代から多く見られるのが特徴です。ここ近年増加
傾向にあり、そのうち胃がんの患者数を超えると考えられています。日本女性の発症率
は現在アメリカの8分の1ですが 、食生活の欧米化に伴い増加傾向にあります。 大人
の女性の乳房は、授乳期に乳汁をつくる「小葉」、乳汁を乳頭に運ぶ「乳管」、これらを包
む「支持組織」「脂肪組織」「皮膚」からなっています(乳腺組織)。乳がんの約90%はこ
の腺管から発生した「腺管がん」と呼ばれているもの。残りの約5〜10%は小葉から発生
し「小葉ガン」と呼ばれています。このほか「炎症性乳ガン」と呼ばれる特殊な型の乳ガ
ンがあります。


 


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